Devil Doll

それはまるで悪夢のような光景

美しい人形のような少女
虚ろな瞳が虚空をなぞったかと思うと
ぎらりと邪悪な光を灯らせてにやと嗤う

細い腕をひとふりするだけで
ふくよかな唇で何かを呟くだけで
宝石のような瞳にただ写すだけで
すべてが跡形もなく吹き飛んだ
一歩その足を踏み出すだけで、業火が舞い踊る

悪夢のような惨状で自分が未だ生きていたことなど
幸運以外に何と言おう
少女と目が合う
何かを返せるほど、自分は既に生きていなかった

それはまるで悪夢のようで、――――