(フクチュウ)

いつからか 僕の腹中には腹虫が居て
ぞわぞわと動き回っては僕を苦しめて遊んでいる
少しずつ酷くなる腹痛を止める手段など無く
時折聞こえる気味の悪い鳴き声はきっと 僕を嘲笑っているんだろう
少しずつ増える薬の量
うまく動かせない躯は重くて いっそ刺してやろうかと思う
そうなったら奴等に逃げ場は無いんだから 最高に馬鹿らしくて笑えるね
汚れた僕の腹の中

でも僕にはまだ決意が無くて
痛みを必死に堪えながら祈るだけ
「誰か助けて、誰か助けて、誰か助けて――」
そんな都合の良いことがないくらい知っている

そして今日も僕の腹中には腹虫が居て 少しずつ僕を汚していく

高校時代に書いたものを発掘
よく腹が痛かったです 薬はあんま飲まなかったですが